活動重点国
自立支援  


理事長がミャンマーで経営しているステーキハウスに80人ほどの従業員がいましたが、

この中のウエイトレスがある時相談があると理事長のところにやってきました。相談

の内容は自分の弟をこのステーキハウスで雇ってもらえないかと言うものでしたが、

開発途上国ではどこも仕事が無く、このステーキハウスでも求人の募集をしたところ、

たった2枚の貼紙をしただけで2000人以上が応募し、その中からやっと選んだ80人

でしたので、これ以上増やすのはと即答を避けていますと・・・「それでは弟に子ブタ

を飼わせて、大きくなったらそれを売る商売をさせたいので、子ブタの購入代金とエサ

代を投資してくれませんか?売れたら元金と利益の半分をお支払いします」と言うもの

でした。

投資額は日本円で2万円程でしたので、たいした金額でもなく、このウエイトレス

(給料・月2000円)も日頃良く働いてくれていたので、気持ちよく投資することにし

たそうです。数ヶ月経って「ブタが大きくなったので、売りに行くから付いて来て欲し

い」と言うので市場に付いて行くと、そのブタは日本円で4万円程で売れ、その場で約

束通り元金2万円と利益の半分である1万円、合計3万円を支払ってくれたそうです。

こんな事が何度が続き、その後何も言ってこなくなったので、このウエイトレスにその

後どうしているのかと聞いてみると「今まで儲けさせてもらったお金で、今は自分でブ

タを3匹飼っている」との事でした。このウエイトレスの弟は起業に成功したのです!!

理事長はこれを聞いてとてもさわやかな気持ちになったそうです。

又、別の話になりますが、開発途上国に旅行をされた方なら1度は経験がおありかと思

います

が、車が信号で停まりますと、コツコツと窓を叩く「物乞い」がやって来ます。バング

ラデシュの首都ダカでは車が停まる度に必ずといってよい程2~3人の「物乞い」がや

って来ます。

中にはどう見ても「物乞い」をしなければ生活していけそうに無いだろうなと思える

人もいますが、この人はどうなのかなと首を傾げたくなる人も沢山います。現地の人に

聞いてみますと、どうやら職種を選びさえしなければ「物乞い」の80%の人が仕事が

あるそうで「物乞い」の方が収入が数倍になるのでやっているそうです。すなわち

「物乞い」をやっている人のうち80%がビジネスで「物乞い」をやっていることにな

ります。全く非建設的な話です。

上の2つの話を総合しますと“施し”が必ずしも適切な支援であるとは限らない事がわ

かります。

わずかな元手があれば、屋台やブタの飼育など人様の“施し”を受ける事なく、独立・

起業出来るのですが少ない収入では食べる事がやっとで元手を蓄える事まで至らず、

当然担保も信用力もありませんので借り入れるという事も出来ず、いつまで経っても

自力で生活をしていく基盤を確立出来ない、ジレンマに陥っているのです。理事長が

ウエイトレスの弟に提供したように、わずかな資金さえあればその可能性も十分見い

出せるのしょうが、開発途上国ではそのチャンスに恵まれることは、極めてまれなの

です。

ニンゴでは、こうした開発途上国の人たちの独立・起業を応援しています。

皆様のご支援・ご協力をお願い申し上げます。

子どもを抱いて物乞いをする少年(マニラ)